みなさんこんにちは!カメラマンのみじょです。このサイトでは日々撮影方法について解説しています。
今回はピントの合わせ方徹底講座その2です。
「置きピン」というものについて解説します!
スポーツ撮影、野鳥や鉄道、飛行機撮影などに使えるこのテクニックをぜひ知っておきましょう!
第一回はこちら→マニュアルフォーカス?オートフォーカス?
第三回はこちら→AF方式について
Contents
置きピンとは、ピントをある場所に置いておくこと
置きピンとはなんぞや、と聞かれたら、端的に言えばこういうことになります。
ただそれだけではわかりずらいので、もっとわかりやすく言えば、「ある1点にピントを合わせておいて、そのままピントの位置を変えずに撮影すること」を言います。
ピントの位置を変えずに、シャッターチャンスを待つイメージです。置きピンを使うような撮影というのは、最初に上げたようなスポーツ、野鳥、飛行機、鉄道など「シャッターチャンスを待つ」ものに使用されるテクニックです。
被写体の前後運動にAFは弱い
ここで、カメラのAFの弱点について説明しておきます。
AFは止まっている被写体に対しては有効に働きます。これは当たり前です。
被写体が左右に移動するような場面でも有効に働きます。
ただし、被写体が奥からこちらに向かって走り抜けるなどの前後運動になると、なかなかピントがあいにくくなります。
ピントというのは、合わせた位置と同じ横並びにあるものにピントが合うのが基本。二人同時に撮影するなら、前後差があるのは良くなくて、横に並ぶのがお互いにピントが合います。
ところが前後に動くものに対しては、ピントをどこで合わせるべきかの判断がカメラにとっても難しく、このまま撮影していても良い瞬間が撮れない、ということもありえます。
そんなときに必要なのが「置きピン」となるのです。
置きピン撮影で「確実な一枚」を撮る
置きピン撮影をすることによって何が良いのかといえば、「確実な一枚」を撮影することができることです。
置きピンをするということは、ピントを合わせた場所より手前の部分と、過ぎた部分の写真は完全にボツになることを受け入れて、自分の撮影したいポイントを確実に押さえるということです。
鉄道写真で列車が過ぎ去る瞬間、ピンポイントで置きピンしておけば、前後の写真はボケていますが、一番いいタイミングの写真はバッチリピントが合っているでしょう。
置きピンで構図を変えずにシャッターチャンスに集中して撮影できる
置きピンのもう一つのいいことが、「構図を変えずに撮影できる」ことです。
被写体がずっと同じ方向からやってくるのであればいいですが、被写体が右奥から左手前に駆け抜けていく場合だと、ピントをいちいちあわせていると思っていた構図と違うものを撮影してしまうことも少なくありません。
置きピン撮影をすることによって、構図を自分の良いと思うもので固定することができ、あとはそこに被写体が来たときに撮影するだけ、という状態を作ることができます。
ピントをあわせてからシャッターまで時間が短ければそのままAFで、時間が長ければMFにしてシャッターチャンスを待つのもいいでしょう。
AF精度が今後さらに向上していけば必要ない?
置きピン撮影は、最初にあげたようなスポーツ・野鳥・鉄道・飛行機写真を撮影するプロカメラマンにとっては必須とも言えるテクニックで、みなこのテクニックを使って決定的な瞬間を撮影してきました。
ところが今、置きピンを使わなくてもAFが被写体を追従して撮影する技術がかなり優秀になってきています。
追従AFが有効と慣れば、撮影している写真のほとんどが被写体にピントが合った写真になるので、ボツになる写真を減らせるようになります。
今後、さらに優秀なAFが登場すれば、置きピンというテクニックは無用の産物になるかもしれません。
まとめ
以上5点説明いたしました。
- 置きピンとは、ピントを合わせたい位置に固定すること
- 被写体の前後運動に、AFは弱い
- 置きピン撮影で「確実な一枚」を撮影できる
- 置きピンで構図を変えずにシャッターチャンスに集中できる
- 今後の技術の進歩によっては必要なくなるテクニックかもしれない
これから必要なくなるかもしれない、と書きましたが、私個人の感覚で言えば、置きピン撮影というのはまだまだ必要です。カメラに任せすぎても、失敗が増えるだけのような気がします。
まずは今まで多くのカメラマンが実践してきたこの撮影方法をやってみてください。ここから、新たなアイデアも生まれてくると思います。